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江田島について

「江田島」と聞いてピンとくる人は戦前或いは戦後間もない人か、若い世代であれば、自衛隊関係者といったところか。 瀬戸内海に浮かぶ人口27,000人 程のこの島は平成17年頃の人口調査では29,000人であったという記録がある事から、少子化や若い世代が都会に出て行く事などの理由から減少している のかもしれない。

先に記した通り、戦前・戦後の世代に馴染みの深いこの島には世界の3大兵学校の一つとしてその名を知られた「帝国海軍兵学校」があった所であり、軍の将校 養成所を目的とされていた。 古くは明治時代に遡るが、東京の築地から江田島に移転されたそうである。 その名残として今も海上自衛隊第一術科学校や、幹 部候補生学校などが残っている。

所謂「戦争」と深い関係にあった島という事になるが、個人的には「戦争」を体験した事もなければ、戦地に行きたいとも思わない平和主義者であるが、当時は そういった思想は危険思想として扱われ、強制的に軍の精神を叩き込まれていた時代であり、それだけに想像を絶する悲しい時代背景であったろう。

現在の施設の中には当時の資料を展示している「教育参考館」などがあり、一般開放されている。 当時の遺物や兵器の一部や特攻で亡くなった青年達が残した家族などにあてた遺書なども見ることが出来、私など、涙なくしては拝見する事は出来なかった。

太平洋戦争末期となると事更に悲惨であったと思いを巡らせたりもした。 既に日本の情報はアメリカに殆どと言っていい程筒抜けであったというし、敵国を分析・調査する余裕などはなかったのが実情であろう。

10代半ば過ぎの青年が書き遺した手紙にも、現代の大人でも書けない程の文章力で圧倒される。 ”今生の別れ”という背景があるが故に増幅されるのかもしれない。ここを訪れると、どうしても現代の若者達との比較をせざるを得ない状況下に陥ってしまう。

若者達だけではなく、いい大人もある意味平和ボケ状態で、遊びや恋愛、或いは浮気などに夢中になったりする人間も多く、中には不倫などの相談を友人や知人 とわざわざ時間を割いている人間もいる。 私自身戦争思想はないし、戦争には反対であるが、私を含め、今の時代を生きる人間も、少しは、若くして散って 逝った若者達の精神を心の片隅に持てたらと思う。